母乳は赤ちゃんが成長する上で大切なもの。これまでじゆうきママでは、母乳に関するたくさんのことを書いてきました。実はこの母乳、赤ちゃんの誕生から卒乳までの間に成分が変化しているのをご存知でしたか?今回はそんな母乳にまつわるお話です。母乳相談のときに保健所のスタッフの方に聞いた話を中心に「母乳」についてまとめました。
目次
母乳の分類
赤ちゃんにとって大好物の母乳ですが、時期によって成分が異なり、それに伴い呼び方が変わります。同じ母乳なのに、ママの身体の中で赤ちゃんの成長に応じた母乳が作られているのです。
初乳
産後すぐから数日間出る、黄色っぽい母乳のことを指します。初乳は赤ちゃんの免疫力を高めるために多くの抗体が含まれています。それによって出産後から3ヶ月ほどは、風邪や病原体の感染を防ぐことができます。生後3ヶ月以降の赤ちゃんが風邪を引きやすいのは、この初乳による免疫力効果がうすれるためと考えられています。初乳の量はママによって異なりますが、臨月の頃から母乳マッサージをしていると乳腺の開通が促されて比較的母乳が出やすくなるようです。ただし、個人差があるので乳が出にくいこともあります。
移行乳
黄色っぽい初乳が数日でた後は、徐々に乳白色に変わり量も次第に増えてきます。赤ちゃんの免疫力を高めていたグロブリンというタンパク質の量が少なくなり、赤ちゃんの体の発育を促す脂肪分などが多く含まれてきます。健康的な食事をしていても、いつの間にかおっぱいが張ってしまいます。ケーキやアイスクリームといった糖質の高い乳製品を摂取すると、乳腺炎になる可能性が高くなると言われています。しかし、アイスクリームなどの糖質が高い乳製品を摂取しても、乳腺炎にならないママもいるので、すべての人に当てはまるというわけではありません。授乳の量が増え回数も増えてくると、おっぱいの張りは自然に収まります。私の場合、産後入院が終わってから生後2~3か月ぐらいが一番おっぱいの張りを感じました。「パンパン」「カチカチ」という表現が合うように硬かったです。その後は1回に飲める量が増え、張って痛い・硬いと感じることは少なくなったように感じます。
成乳
授乳を初めて数ヶ月経つと、離乳食が始まるため授乳量や授乳回数が減ってきます。この頃の母乳の色は薄い乳白色で、サラサラしています。1回の授乳中に、母乳の成分が変化するのも成乳の特徴です。赤ちゃんが吸い始めた直後は、水分を中心にビタミンやミネラル・タンパク質・糖質といった栄養が含まれた母乳が出てきます。赤ちゃんが飲み終わる頃には脂肪分の多い母乳が分泌されるのです。
ちなみに、母乳の詰まりや乳腺炎ついては以下のお話でも紹介しています。
乳腺の開通は何回も授乳すること
誰しも出産後すぐに母乳が出るわけではありません。なぜなら、産後すぐは母乳の通り道である「乳腺」が開通していないからです。そのため、赤ちゃんの吸う力が強いけど、おっぱいがなかなか出なくて結局ミルクを与えてしまうというママもいるようです。乳腺を開通させるには、授乳回数を増やしていくことが推奨されています。母乳を飲まれることにママの身体が慣れていない状態なので、回数を増やして慣らしていくのが1番だと考えられているからです。しかし、状況によってはミルクを足して赤ちゃんの体重を増やしていくことが良いと考えられるケースもあるので、担当の先生と相談してみてください。
母乳は飲まれるほど分泌される
赤ちゃんが母乳を飲めば飲むほど母乳は分泌されます。「こんなに母乳を飲む赤ちゃんがいるんだから、もっと母乳を作らないと!」とママの身体が頑張っているのです。母乳が詰まらないようにするためにも、左右交互にあげてください。片方の乳をあげているともう片方から母乳がにじみ出てしまい、洋服を汚してしまうママもいるのでミルクパットを用意しておくと安心です。ちなみに私はお風呂あがりにミルクパットを付け忘れ、授乳ブラジャーやパジャマを汚したことがあります…。
ミルクパッドは産後に退院してから、ずっと使い続けています。出産退院後に役立つママと赤ちゃんのおすすめグッズを以下で紹介しているので、こちらも合わせて参考にしてみてください。
ママの身体への負荷を考える
とはいえ、おっぱいを吸われてもなかなか出ないというママもいると思います。私の周りにも何人かいますし、早々にミルクへ移行しています。昔は母乳で飲ませないとという考え方が多かったようですが、今はミルクを使って効率よく育児をしようという考え方も多くなってきています。ママ自身の体質だけでなく、通常よりもストレスがかかる育児生活には母乳の分泌を妨げるものがたくさんあります。負荷のかからないようにミルクを使うのも立派な子育てです。
母乳の量を増やしたいママに
母乳の量は実は増やすことができると言われています。一般的に、これをすると母乳が増える!とされている方法について紹介します。あくまでも一例のため、すべてのママに適しているというわけではありません。自分の体に合わない時は中断してくださいね。
たんぽぽコーヒーやたんぽぽ茶を飲む
たんぽぽの根には血液の循環を良くする効果・女性ホルモンの分泌を促す効果があります。そのため、たんぽぽコーヒーやたんぽぽ茶を飲むと母乳の出が良くなると言われています。もともとコーヒーが好きだった方にとっては、たんぽぽコーヒーは嗜好品としても美味しく活躍してくれるのでおすすめですよ。
姉妹サイトのんカフェでは、我が家のおすすめたたんぽぽコーヒーを紹介しています。
ハーブティーを飲む
同様に、たんぽぽ根以外にも母乳の出がよくなるハーブも存在します。AMOMAのミルクアップブレンドは授乳中のママの母乳を増やすことを一番に考えてハーブを選び調合したハーブティーです。コーヒーよりも紅茶が好きな方は、ハーブティーがおすすめです。ただし和食との相性はあまりよくないので、食事と一緒よりはハーブティーだけ・またはおやつと一緒に飲むのがいいと思います。
母乳育児サポート飲料・サプリメントを飲む
もっと本格的に対策したいなら、母乳育児サポート飲料やサプリメントを飲むという手もあります。母乳の出がよくなる成分を栄養ドリンクのように飲むため、短期間で母乳アップの効果を感じられるママが多いようです。
ミルニック
ミルニックは授乳時の母体をサポートする3大成分である、たんぽぽ・ラズベリーリーフ・フェンネルを配合した粉末状のサプリメントです。その他にも、乳酸菌や葉酸などママに嬉しい成分がたっぷり含まれています。ミルニックは、私も一時期飲んでいました。味は、ラズベリーエキスの影響で少し甘酸っぱいですが、薬のような苦味は無く美味しく続けて飲むことができます。そのまま飲んでも大丈夫ですが、ヨーグルトに混ぜて食べるのが美味しくておすすめです!
母なるおめぐみ(あずき茶)
もうひとつ注目したいのが、小豆(あずき)の力に注目した母乳育児サポート飲料「母なるおめぐみ」です。あずきは、江戸時代から民間療法として生活習慣病や冷え性の改善に使われてきた、実は身体にとっても良い食材だそうです。鉄分・亜鉛・ビタミン B・マグネシウムなどを多く含むあずきは、言われてみると確かに母乳育児ととても相性が良いですね。また、あずきにはごぼうの約3倍の食物繊維が含まれていると言うから驚きです。多くの自然派ママに選ばれています。
母乳マッサージをする
お金をかけずに対策するなら、母乳マッサージ(おっぱいマッサージ)がおすすめです。母乳マッサージとは、乳房の基底部を動かして母乳の分泌促進を行うマッサージのことです。お風呂に入っている時に行うと、血液循環良くなって、より効果が期待できます。
母乳に良い食事を摂る
飲み物に加えて、毎日の食事にも気を配りましょう。赤ちゃんが飲む母乳は、ママが食べた物から作られます。もち米や生クリームなど母乳が詰まりやすい食べ物は避け、鉄分・たんぱく質・カルシウムなどをたっぷり含んだ食事を摂りましょう。レバー・牡蠣・あさり・ほうれん草などがおすすめです。
母乳を与えるタイミング
生後すぐ
生後すぐは赤ちゃんが欲しがるタイミングで母乳を与えてみましょう。私が産後すぐにつけていた日誌を読み返すと、多い時は1日10回以上あげていました。夕方になると、母乳があまりでなくて赤ちゃんも不機嫌になることが多くなります。そんな時はお散歩したりして、別のことで赤ちゃんの気を紛らわせましょう。そのうち慣れてくると、1日の授乳回数も感覚がつかめてきますよ。
生後5〜6ヶ月以降
生後5〜6ヶ月頃の離乳食を始める時には、離乳食の栄養を補うために食べ終わった後に母乳を与えます。それでも欲しがる時はあげてしまいましょう。3回食が始まる頃には、食事の後にそれぞれ与えることが推奨されていますが、欲しがらない子もいますし赤ちゃんによって様々です。
授乳時間はスキンシップ
生まれたばかりの赤ちゃんにとっての母乳は、食事として大きな役目を担っています。お腹が空いたら泣いて、おっぱいを求める赤ちゃんがほとんどでしょう。離乳食を始めると、食事から取る栄養が増え次第に母乳を飲む量が減ってきます。しかし、離乳食期でも赤ちゃんによっては機嫌が悪い時や夜寝るときにおっぱいを欲しがります。食事としてではなく、ママとのスキンシップの一つとして母乳が大きな役割を担っているのです。どんなに泣きわめいていても、おっぱいを飲むだけですんなり眠ってしまうという赤ちゃんもいます。
