下の歯が生えてきて、上の歯が生える…その次に生える歯はどこ?歯が生え始める頃の赤ちゃんを見ていると、次にどこの歯が生えてくるのかは気になりますよね。月齢別の赤ちゃんの成長のお話でもお話したように、歯の成長スピードは赤ちゃんによって個人差があります。今回は、乳歯の生え方・生えてくる順番についてまとめてみました。
乳歯の名前と形
乳歯は上下10本づつ、合計20本生えます。歯の名称として、5種類に分けることができます。左右対称に生えるようになっていますが、上下に寄ってその大きさや形が違います。乳児歯科検診を受けたり歯医者に通ったことのあるママなら聞いたことがあるかもしれませんが、略称として、アルファベットのAからEまでを使っています。(参考:乳歯が生える順番と時期)
A〜Eに分類する5種類の乳歯
A:乳中切歯(にゅうちゅうせっし)
1番最初に出てくる乳歯で、手前に位置する前歯のことを言います。上の歯は下の歯よりも大きく、台形状をしています。
B:乳側切歯(にゅうそくせっし)
Aの隣に位置する前歯です。上の歯はAよりも少し小さく、下の歯はほぼ同じ形をしています。
C:乳犬歯(にゅうけんし)
糸切り歯です。結構鋭いです。八重歯のように生える子もいます。1歳半〜2歳ぐらいに生えだします。
D:第一乳臼歯(だいいちにゅうきゅうし)
Cのすぐ後ろに位置する奥歯です。永久歯の小臼歯(かみ合わせの面が小さい奥歯)と大臼歯(かみ合わせの面が大きい奥歯)の中間のような形をしています。上の歯は根が3つ、下の歯は根が2つあります。Cの乳犬歯(にゅうけんし) よりも先に生える事が多く、Cのスペース1本分を空けて生えてきます。
E:第二乳臼歯(だいににゅうきゅうし)
一番後ろに位置している奥歯のことです。永久歯の大臼歯と同じような形をしています。根の数は第一乳臼歯と同様です。
一番最初に生える乳歯はどこ?
生える順番は赤ちゃんによってそれぞれ
一番最初は下の前歯から生えるという赤ちゃんがほとんどです。下の前歯のうちが1本が出て、そこから2本目が生えてきます。下の歯が一番最初に生えるというのは統計上で多いと言われているだけなので、上の歯から生えてきても問題ありません。生まれたときから生えている赤ちゃんもいるので、生えてくる順番にこだわらなくても大丈夫です。きちんと栄養を摂っていれば、自然と歯は生えそろいます。
生えそろうのはいつ頃?
- 生後すぐ〜生後5ヶ月頃ぐらい … 1本目のAの乳中切歯
- 生後半年〜1歳 … 上下のA乳中切歯とB乳側切歯
- 1歳半頃 … D第一乳臼歯
- 2歳〜3歳 … C乳犬歯、E第二乳臼歯
平均して3歳頃には20本すべての乳歯が生えそろうと言われています。あくまでも個人差があるので、だいたいこれぐらいには生えそろうのかと頭に入れておけば大丈夫です。
乳歯が生えそろった時のハミガキケア
生えはじめの頃の乳歯ケアのお話でも紹介していますが、乳歯が生えている頃は唾液の分泌量が多いため虫歯にはなりにくいと言われています。しかし、ハミガキケアを怠けてしまうと、将来的に虫歯になるリスクが高まります。赤ちゃんの歯を虫歯から守れるのは大人だけです。しっかりハミガキして対策しましょう。
汚れが溜まりやすい場所
授乳中の赤ちゃんはとくに上の歯の前歯の唇側に汚れがたまりますいと言われています。母乳を吸う時に、舌を歯の裏側に押し付けて吸っているため、汚れがどうしてもつきやすくなるのです。普段の食事をしているときも、歯と歯の間に食べかすが詰まりやすくなるので要注意です。また、奥歯の噛み合わせの面にも汚れが溜まりやすく、ハミガキを怠ると虫歯菌を繁殖させる原因になります。歯ブラシが届きにくい位置ですが、しっかり磨くようにしましょう。
乳歯の虫歯は歯並びを悪くする
乳歯が生えた後に、永久歯が生えてきます。乳歯は後々に永久歯が正しい場所に生えてこれるように目印の役割をもつと言われています。乳歯が生えている時に虫歯になり乳歯を失ってしまうと、永久歯が正しく生えないため歯並びが悪くなってしまうこともあります。乳歯の虫歯が重症化すると、乳歯の下で作られている永久歯を溶かしてしまうこともあるので、乳歯の虫歯には注意しましょう。
歯が抜けたときは…
乳歯が抜けるペースはその子によって全く違います。最初の乳歯が保育園や幼稚園に通っている最中に抜ける子もいれば、小学生になっても抜けない子もいます。だいたい平均して小学校の6年間(6歳前後から12歳くらいまで)で乳歯が抜けて永久歯に生え変わると言われています。永久歯の数は乳歯の20本よりも多く、奥歯が増え親知らずを合わせて32本生えてきます。永久歯は17歳頃にはすべて生えてくるようです。
抜けた時もしっかり口内ケア
歯が生え変わる時には、磨き残しに注意が必要です。歯ぐきの炎症や生えてくる歯を虫歯から守るためにも、口の中を清潔にしましょう。子ども自身にハミガキをさせた後、ママの仕上げをお忘れなく。
指しゃぶりは早めに卒業
指しゃぶりによって上顎の形が変形して出っ歯になる可能性があります。赤ちゃんのうちはしょうがない面もありますが、少なくとも6歳前にはやめさせましょう。
フッ素加工ハミガキ粉を
強い歯にするためにも、ハミガキ粉(赤ちゃんの場合はジェルハミガキ)にはフッ素が入ったものを使いましょう。生えはじめの歯は成長段階で栄養を取り込みやすく。フッ素入りのものを使うことで綺麗になると同時に硬く強い歯になります。
心配な時は歯医者に
歯が抜けない、乳歯が生えているのに永久歯が生えそう…赤ちゃんの歯にはママの知らない情報がたくさんあります。不安に感じたら歯医者さんに相談するのもいいでしょう。歯の生え変わりの時期はとても大切です。新しい歯がしっかり生えてくるように口内ケアに気をつけましょう。
赤ちゃんが暴れたら…
ハミガキを毎日の習慣にしていても、なかなか大人しくハミガキをしてくれる子どもはいないでしょう。ママがメインで歯を磨いてあげることになると思いますが、暴れまわって歯がちゃんと磨けないということもあると思います。毎回毎回全部の歯を丁寧に磨くのは難しいので、少しずつ磨けるところを磨くのもいいでしょう。
