今回は赤ちゃんが大人と同じ食事を食べ始める離乳食完了期についてのお話です。1歳〜1歳半頃は、離乳食完了期と言われ、赤ちゃんにとっては卒乳したり大人と同じ食事を食べるための準備期間です。大人の食事を作る際に、下ごしらえまでは一緒で味付けだけ別にすると、メニュー作りが少し楽しくなりますよ。
パクパク期と手づかみ食べ
1歳〜1歳半の時期は、パクパク期と言われ自分で手づかみして食べ始める頃でもあります。しかし、どの赤ちゃんもそうというわけではありません。やはり個人差があるので、手を出さなかったりパクパク食べなかったりそれぞれです。小さくちぎったパンや、一口サイズのおにぎりを手で掴んで食べやすくすると、手づかみで食べることに興味を持ち、自分で口に運ぶ習慣にもつながります。同様に野菜や果物などを食べやすい大きさに切ってあげるのもいいですね。手でつかんで食べることで、食べ物の感触やどのくらいの量が口に入るのかを段々と覚えていくようになります。のちのちのスプーンやフォークを使って食事する練習にもつながると言われています。汚れても良いように、お手拭きやエプロンを用意しておきましょう。
赤ちゃんの「自分で食べる」を応援しよう
ある時はスプーンを使って、ある時は素手で…この時期の赤ちゃんはいろんな方法でご飯を食べたがります。自分でスプーンやフォークを持ってくれるのは良いけど、後の汚れを考えるとママとしてはヒヤヒヤしますよね。食材を手で握ったりスプーンやフォークをいじったりすることで、ものの硬さや感触を手や指で感じ取って覚えているのです。お行儀が悪いなぁ…と思っても、赤ちゃんにとっては大事な学びの場です。多少のことは大目に見ましょう。自分でお口に運べて食べれた時に「すごいね!ちゃんと食べられるね」と褒めてあげると、赤ちゃんも食べることに達成感を覚え、「もっと食べたい」と自ら食べだすようになります。
食べられる量が増える
離乳食完了期になると1回の食事の量がどんどん増えてきます。離乳食に関する本やメデイアでは下記の量が1回に与える食品の目安として紹介されています。それでもやはり個人差があるので、あくまで目安として考えましょう。
- 穀類(おかゆなど):80〜90g
- 野菜または果物:40〜50g
- 魚、肉など:15〜20g
- 豆腐など:50〜55g
- 乳製品:100g
食材の柔らかさ
まだ奥歯が生えていないこの頃、歯ぐきで噛み潰せるぐらいの柔らかさが推奨されています。肉団子を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。おかゆは軟飯という米:水の割合が1:2〜3ぐらいで炊いた軟らかいご飯です。ご飯お代わりに、うどんやマカロニ、食パンやさつまいもといった食品を使ったメニューも用意してあげましょう。野菜や魚・肉類は1cm角や一口大にします。あげすぎには気を付けたいですが、調理がしにくい食材は市販のベビーフードを使うと手軽に栄養摂取できますよ。
食べられる食材と注意したい食材
2回食や3回食のお話でも触れた食べられる食材に加えて、この時期にはほとんどの食材を食べられるようになります。ここでは、気を付けたい食材についてまとめてみました。
穀類
ほとんどOKですが、お餅はのどに詰まりやすいので与えないようにしてください。玄米・もち米は消化不良を起こしやすいのでNGです。ただし玄米でできたライスミルクは消化に良いので飲ませても問題ありません。パンやめん類は食べやすい大きさに切り分けて与えます。蕎麦は蕎麦アレルギーが出やすいのでこの時期はNGです。
野菜・果物・キノコ類
野菜はほぼOKですが、にんにく・しょうがは刺激が強いので料理にはたくさん使わないようにします。果物もだいたいは食べれますが、パパイヤ・マンゴーはアレルギーでやすいので離乳食完了期には食べさせないようにしてください。キノコ類も食べられるので細かく刻み、のどに詰まらないようにしましょう。
体を作るタンパク質
肉
鶏・豚・牛はほぼ食べられます。油の多い豚バラ肉・鶏もも肉といった部位は控えましょう。ウィンナー、ソーセージ、ベーコンは添加物や塩分が含まれているので完了期にはまだ控えたほうが良さそうです。
魚
白身魚、赤身魚、青魚どれもだいたい食べられますが、骨抜きや塩抜きをして必ず加熱調理します。青魚であるサバは、アレルギーが出やすいと言われているので少量から試しましょう。また、離乳食完了期はまだ、お寿司の魚は食べられないので注意が必要です。甲殻類、貝類はアレルギーがでやすいのでこの時期もNGです。加工品はちくわ・はんぺん・かまぼこは添加物入っているため、なるべくあげないようにしましょう。
大豆製品
豆腐・豆乳・納豆など大体の大豆製品は食べられます。植物性タンパク質は体にもよく、積極的に摂りたい食品です。納豆は便秘気味の赤ちゃんにも効果的です。但し、赤ちゃんが大豆アレルギーを持っている場合もあるので、その点は気を付けてください。
乳製品
牛乳は1歳過ぎから飲むことはできますが、アレルギー反応がでやすいので少量ずつ与えます。アレルギー反応が出ないようでしたら、1日400ml(1回で200ml以下)までを与えます。カルシウムや鉄分の多いフォローアップミルクを代わりにあげるのも良いでしょう。チーズも食べられる食品に入ってきます。乳製品はカルシウム不足になりやすい卒乳時に積極的に摂りたい食品です。乳アレルギーが気になる赤ちゃんには、牛乳の代わりに栄養価の高いライスミルクやアーモンドミルクを試してみましょう。
その他の食品について
卵
必ず加熱して調理します。卵黄に慣れたら、すこしずつ卵白も試してみましょう。我が家は冬の時期に鍋の〆のおじやで試したところ、バクバク食べていました。卵料理を赤ちゃんのために作るよりも、大人用の食事を小分けして試すのが楽かもしれません。卵はアレルギー反応がでやすい食品の一つなので、赤ちゃんの様子に細心の注意を払いながら与えてください。
ジャム・ピーナッツバター・はちみつ
保存料・添加物が入っているため、ジャムやピーナッツバターは離乳食完了期では見送ります。1歳前にNGだったはちみつは少しずつ与えて様子をみましょう。
ホットケーキミックス
牛乳や粉ミルクと混ぜたり、バナナなどのフルーツと混ぜて作るホットケーキは赤ちゃんのおやつとして大活躍です。他にも野菜をすり合わせたものと合わせると栄養もとれて食べやすいです。
おやつについて
これまでの離乳食のお話でも伝えていますが、1度の食事で取り切れない栄養を補うためにおやつを食べさせます。食事と食事の中間ぐらいの時間に与えて、次の食事の妨げにならないようにするのは今までのおやつの与え方と変わりません。ヨーグルトや乳児用チーズ、さつまいもやじゃがいもやバナナといった栄養価の高いものは腹持ちもよくお腹が満たされやすいです。また、季節のフルーツや砂糖の少ない乳児用のお菓子を与えてみましょう。1歳から食べられる・飲めるというパッケージで販売されている市販のスナック菓子やジューズは味付けが濃かったり砂糖が入っているため、ハミガキをサボると虫歯になる可能性が高くなるので気を付けましょう。
プレート皿を用意してみる
食べられる食品も増え、1回の食事のメニューが増えるこの時期。お子様ランチのようにプレートに盛り付けてあげると食べ物にもっと興味を持ちそうですね。プレート皿に盛り付けることで手づかみしやすいというメリットもあります。赤ちゃん本舗や西松屋など赤ちゃん用品専門店以外にも、100円ショップなどでも子供用の食器が売っています。
